かわいそうな ぞう

“この物語の舞台は、東京都台東区にある上野動物園。第二次世界大戦の最中に実際にあった出来事をもとに製作されました。

第二次世界大戦が激しくなり、東京市にある上野動物園では空襲で檻が破壊された際の猛獣逃亡を視野に入れ、殺処分を決定します。ライオンやクマが殺され、残すはゾウのジョン、トンキー、ワンリーだけになりました。ゾウに毒の入った餌を与えますが、ゾウたちは餌を吐き出してしまい、その後は毒餌を食べないために殺すことができなくなりました。毒を注射しようにも、象の硬い皮膚に針が折れてしまうため、餌や水を与えるのを止めて餓死するのを待つことにしました。ゾウたちは餌をもらうために必死に芸をしたりしますが、ジョン、ワンリー、トンキーの順に餓死していきました。”(「蒼き空に笑う」ブログより)

8月15日 77年目の終戦の日を迎えます。いつの世も、犠牲になるのは何の罪もない人々や動物です。戦争のために死んでいかなければならなかった動物達の哀しみと死なせなければならなかった飼育員さん達の苦しみ。

戦争を知らない世代が増えた今こそ、読み継いでいきたいお話です。

出典
『かわいそうなぞう』
 つちやゆきお 文/たけべもといちろう 絵/金の星社 刊

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